暗号資産2026年06月02日 23:44·12分で読めます

Toncoin(TON)とは?GRAMへの改称も浮上——Telegramが本格掌握した次世代L1の全貌【2026年最新】

Toncoin(TON)とは?GRAMへの改称も浮上——Telegramが本格掌握した次世代L1の全貌【2026年最新】
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ポイント

  • TON(The Open Network)はL1スマートコントラクトプラットフォームで、Telegram共同創業者ニコライ・デュロフが開発し、現在はTON Foundationが運営している
  • 2026年5月4日にTelegram創業者パベル・デュロフが「TelegramがTON Foundationに代わりネットワークの最大バリデータになる」と宣言。これを機に価格が急騰した
  • 2026年6月1日、デュロフはネイティブトークンの名称を「Gram(グラム)」に改名すると正式発表。これはMTONGAロードマップのステップ4に当たり、約3週間で移行完了予定。トークンスワップは不要
  • 日本国内では、BITPOINTおよびSBI VCトレードでTONを取り扱っており、海外取引所を経由せずとも入手可能

TelegramとTONの関係は、長らく「友好的だが距離がある」という表現がしっくりきた。ところが2026年に入り、その距離が一気にゼロになった。世界9.5億人が使うメッセージングアプリが、ブロックチェーンの運営主体として正式に乗り込んできたのだ。さらに直近ではトークン名を「Gram(グラム)」に戻す提案が可決されつつあり、プロジェクト全体が大きな転換点を迎えている。


Toncoin(TON)とは

TON(The Open Network)は、金融アプリケーションに特化したL1スマートコントラクトネットワークだ。起源は2018年にさかのぼる。TelegramはGramというトークン名でTONの立ち上げを試み、約17億ドルを調達したが、SECの介入により2020年に発行を断念。Telegramは投資家に資金を返還し、コードをオープンソース化した。

その後、コミュニティがプロジェクトを引き継ぎ、Toncoin(TON)としてTON Foundationのもとで再始動した。

Toncoinはネットワークのネイティブトークンであり、トランザクション手数料・ステーキング(保有量に応じた報酬を得る仕組み)・ガバナンスに使われる。バリデータとステーカーはネットワークを守る報酬としてTONを受け取る。また、オンチェーンガバナンスプラットフォームでTON保有者が改善提案を提出できる。


仕組み・技術

PoSコンセンサスとシャーディング

TONはかつてPoW(プルーフ・オブ・ワーク:大量の計算で合意するビットコイン型の方式)を採用していたが、その後PoS(プルーフ・オブ・ステーク:コインを担保として検証者が合意を形成する省エネ型の方式)に移行した。

TONの技術的な最大の特長は「無限シャーディング」と呼ばれるアーキテクチャにある。ブロックチェーンのトランザクション処理を複数のグループ(シャード)に分割して並列処理するため、イーサリアムが毎秒6件程度のトランザクション処理にとどまるのに対し、TONは毎秒数百万件の処理能力を持つとされる。

Catchain 2.0とMTONGAロードマップ

2026年の最大の技術的カタリストが「MTONGA(Make TON Great Again)」と呼ばれる7段階のロードマップだ。デュロフが4月9日に発表し、ステップ1として実施されたCatchain 2.0コンセンサスアップグレードにより、ブロック生成時間が2.5秒から約400ミリ秒(0.4秒)に短縮された。

現在TONのインフラはサブ秒(1秒未満)のファイナリティ(取引確定の速さ)をサポートし、Telegramエコシステム内で構築される決済やミニアプリへの高速処理を可能にしている。

TON Proxy・TON Sites

TON Proxyはブロックチェーン上でアプリケーションとデベロッパーをプライバシー保護しながら接続し、TON Sitesはブロックチェーン上でウェブサーバーを立ち上げることができる仕組みだ。分散型ウェブ(dWeb)への志向がTONの技術的な思想の根底にある。


歴史・主要マイルストーン

| 年 | 出来事 | |---|---| | 2018 | Telegramデュロフ兄弟がTONホワイトペーパーを公開。「Gram」として17億ドルのICOを実施 | | 2020 | SECが有価証券法違反として提訴。Telegramがプロジェクトから撤退し資金返還 | | 2021 | TON財団がコミュニティ主導で再始動。Toncoin(TON)として正式ローンチ | | 2023 | 国内BITPOINT上場。Telegramとの提携によるウォレット機能を実装 | | 2024年6月 | ATH(史上最高値)$8.25を記録 | | 2026年1月 | Telegramが米国ユーザー向けセルフカストディ(自己管理型)TONウォレットをローンチ | | 2026年4月 | Catchain 2.0アップグレード実施。ブロック時間を大幅短縮 | | 2026年5月4日 | デュロフがTelegramをTON Foundationに代わる主要推進力とすると発表 | | 2026年6月1日 | トークン名を「Gram」へ改称すると正式発表 |

2020年のSECとの訴訟は、SECがTelegramのトークンセールが証券法に違反すると主張。裁判所はHoweyテストの基準に照らし、GramトークンのセールがユーティリティトークンではなくInvestment Contract(投資契約)として機能すると判断し、プロジェクト停止を命じた。

しかし、SECはその後この訴訟を取り下げており、米国で暗号資産に友好的な政権が誕生したことで、Telegramはより積極的にTONエコシステムに関与するようになっている。


現在の市場動向(2026年5月〜6月)

Telegramによる正式掌握とMTONGA

2026年4月28日時点で$1.30前後で推移していたTONは、5月初旬に一気に約2倍まで急騰した。きっかけはパベル・デュロフの一言だった。

TelegramはTONブロックチェーンの最大バリデータとして位置づけられ、発表時点でTelegramの関連ウォレットには約2,820万TONが保有され、うち220万TONが4月30日以降バリデーター運営に担保されていた。

この流れの中でTONのガス代(取引手数料)は約6倍の削減を達成した。これはエコシステム全体の利用コストを劇的に下げる効果がある。

2026年Q2にはAppKit&Tolkといった開発者ツール群の提供が予定されており、TelegramとのL2決済ネットワーク「TON Pay 2.0」もミニアプリ内課金・広告・P2P送金向けのインフラとして整備が進んでいる。

超速報:Gram(グラム)への改称提案

本稿執筆時点(2026年6月)の最も大きな話題が、トークン名の変更だ。

パベル・デュロフはTONのネイティブ通貨を「Gram」に改称すると正式発表した。これは2018年のTelegramファーストホワイトペーパーで使用されていた元来の名称への回帰であり、プロジェクトのより深い統合と新章の始まりを示すものとして位置づけられている。

ブロックチェーン名は「TON(The Open Network)」のまま維持され、通貨のみが「Gram(GRAM)」に改称される。トークンスワップや技術的変更は行われず、残高・ステーキング・DeFiへの影響もない。

ガバナンス投票では180万TONが賛成票として投じられ、賛成率は約80%に達している。

この発表を受けて、TONは約15%上昇し、24時間取引量も135%急増した。

Telegramが主導権を握って以降、チェーンの速度は10倍、手数料は約6分の1まで低下している。Gramという名称は、もともとシステムのコアコードベースにも残り続けていたとされる。

規制・制度面の動き

ベラルーシが5月にTONを含む26銘柄に対して銀行サービスの承認を行い、フィンテック企業Revolutも7,000万ユーザーのアプリをTONベースのミームコインに開放した。

一方、デュロフのフランスでの法的問題や他の管轄区域における規制リスクは依然として残っており、Telegramの事業継続性がTONエコシステムの先行きにも影響し得る点に注意が必要だ。


日本での購入方法

2026年5月現在、日本国内ではBITPOINTでTONを取り扱っており、国内取引所で直接購入が可能だ。さらに、SBI VCトレードもTON(トンコイン)を取り扱いリストに加えており、ステーキングサービスも展開している。

主要な国内取引所の状況は以下の通りだ(2026年6月時点の確認情報):

| 取引所 | TON取扱 | 備考 | |---|---|---| | BITPOINT | ○(現物) | 国内最初期に上場(2023年10月) | | SBI VCトレード | ○(現物・ステーキング) | ステーキングサービスあり | | Coincheck | 未確認 | 公式サイトで最新情報を確認 | | bitFlyer | 未確認 | 公式サイトで最新情報を確認 | | GMOコイン | 未確認 | 公式サイトで最新情報を確認 |

Gramへの改称後、各取引所での表示ティッカーが「TON」から「GRAM」に順次変更される予定だ。移行期間中、取引所・ウォレット・エコシステムサービスがトークン名を段階的に更新していく。これにより短期的に表示の混乱が生じる可能性があるため、利用中の取引所の公式アナウンスを確認することを推奨する。

海外取引所ではBinanceやKuCoin、Gateなど主要取引所で取引可能で、TON/USDTが最も取引量の多いペアとなっている。


投資リスクと注意点

中央集権化リスク

TONのリスクの中で、現在最も議論されているのがこの問題だ。2026年5月30日時点で、Telegramがネットワークの最大バリデータに就き、約220万TONをステーキングしており、手数料を6倍削減した。これはTelegramの9.5億ユーザーとの統合を深める一方で、検証権限の集中と流動性の薄さに懸念をもたらしている。

実際、オンチェーン流動性を示すTVL(Total Value Locked:プロトコルに預けられた総資産額)は約7,000万ドル、DEXの日次取引量は約450万ドルにとどまっており、大口取引の執行リスクが指摘されている。

Durov個人リスク

リスクの一つは、Telegramの実行面——デュロフが予定通りMTONGAを進められるか、Telegramの事業がフランス等での法的問題なく継続できるか、そしてメッセージングアプリのユーザーが実際に決済・送金へと移行してくれるか——に集約されている。

供給構造と高FDV問題

現在の流通供給量は約26.9億TONで、総供給量51.8億TONの半分程度しか市場に出ていない。FDV(Fully Diluted Valuation:全トークン流通時の理論時価総額)と時価総額の比率が高いため、将来的な売り圧力につながる可能性がある。

日本の税制

日本国内では、暗号資産の利益は雑所得として課税される。他の所得と合算され、最高税率は住民税込みで約55%に達する可能性がある。TONをステーキングした際の報酬も原則として受取時点の時価で雑所得となる点に注意が必要だ。特にGramへの改称に伴い、取引所側での表示変更が生じても保有トークン自体に変更はなく、課税関係が発生するわけではないが、心理的な動揺から誤った操作をしないよう冷静に対処することが肝要だ。


まとめ

TONは「Telegramというすでに完成した配布チャンネル」を持つ稀少なL1チェーンだ。分散型ブロックチェーンが最も苦労する「ユーザーへの配布問題」をすでに解決しているという点で、他のL1とは一線を画している。課題は技術ではなく、「Telegramユーザーが本当に暗号資産の利用者へ転換するか」という実行面に絞られている。

直近1ヵ月でトークン価格は約60%上昇しており、2026年6月時点ではGramへの改称という象徴的なイベントが重なり、コミュニティの熱量は高い。ただし、2024年6月のATH($8.24)からはいまだ大幅下落水準にあることも事実だ。エコシステムの実需がどこまで追いつくか、冷静に見極める視点が欠かせない。


よくある質問

Q1. ToncoinとGram(グラム)はどう違うのか?

ネットワーク名の「The Open Network(TON)」はそのまま維持される。今後「TON」はブロックチェーン自体を指し、「Gram」は取引・手数料・エコシステム内のアプリで使われる仮想通貨を指す形になる。トークンスワップや技術的変更は行われず、残高・ステーキング・DeFiへの影響はない。移行はウォレットや取引所が約3週間かけて順次対応する。

Q2. 日本でTON(Gram)を買う方法は?

2026年5月現在、国内ではBITPOINTで取り扱いがある。またSBI VCトレードでも取り扱い・ステーキングが可能だ。口座開設にはマイナンバー等の本人確認書類が必要で、通常数日から1週間程度かかる。各取引所の公式サイトで最新の取扱状況と銘柄名の表示変更を確認してから手続きしよう。

Q3. TONのステーキングはどのくらいの利回りが期待できる?

ステーキング(PoSネットワークに通貨を担保として預け、報酬を受け取る仕組み)の利回りはネットワークの状況・バリデーターによって変動する。Telegramが最大バリデータに就き、手数料を6倍削減したことで、バリデーター報酬の配分効率は向上している。ただし、ステーキング報酬は日本では受取時の時価で雑所得として課税されるため、税引後の実質利回りを事前に試算しておくことが重要だ。SBI VCトレードなど国内取引所のステーキングサービスも選択肢に入る。

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