PoliticsJun 17, 2026 23:50·4 min read

Illinois Digital Asset Tax Law Enacted — Industry Erupts in Backlash, Calling It 'America's Worst Crypto Tax Regime

Illinois Digital Asset Tax Law Enacted — Industry Erupts in Backlash, Calling It 'America's Worst Crypto Tax Regime
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ポイント

  • 米イリノイ州のJB・プリツカー知事が2025年6月16日、Digital Asset Tax Actに署名し正式成立
  • 同法は暗号資産取引に対する新たな課税スキームを導入。業界団体はその内容を「米国で最も懲罰的な税制」と批判
  • 暗号資産ビジネスのイリノイ州外への流出を懸念する声が業界内で強まっている
  • 連邦レベルでの規制整備が進む中、州レベルでの独自課税強化という逆行的な動きとして注目される

イリノイ州のJB・プリツカー知事が2025年6月16日にデジタル資産税法(Digital Asset Tax Act)へ署名し、同州の暗号資産課税が大きく強化された。業界側は即座に反発しており、事業者の州外流出が現実的なリスクとして浮上している。


「懲罰的」と呼ばれる理由

詳細な税率・課税対象の全条文はまだ精査中の部分もあるが、業界団体が「米国で最も懲罰的」と断言するほどの強度だ。一般的にデジタル資産課税で問題になるのは、未実現利益への課税、マイニング収益への二重課税、そしてステーキング報酬の即時課税といった論点だが、今回のイリノイ州法はこうした業界が忌避する要素を複数含んでいるとみられる。

筆者がここで重要だと思うのは、課税の「タイミング」だ。実際に売却して利益を確定する前に課税が発生する構造になると、資金繰りが苦しいスタートアップや小規模マイナーは物理的に納税できないケースが出てくる。これは事業継続を阻むルールに等しい。


背景・なぜ重要なのか

米国では連邦レベルでの暗号資産規制整備が2025年に加速している。SEC・CFTCの管轄整理、ステーブルコイン法の議論、そしてFIT21法(暗号資産市場構造法案)の動向など、業界にとってはようやく前向きな枠組みが整いつつある局面だ。

そこに来てのイリノイ州の動きは、明らかに逆風だ。

米国の暗号資産企業は従来、テキサス州やワイオミング州、フロリダ州といった規制・税制に友好的な州へ移転・集積する傾向を見せてきた。ワイオミング州はDAOへの法人格付与でいち早く注目を集め、フロリダ州はマイニング事業者への電力費補助に積極的だ。イリノイ州は相対的に企業誘致競争で後れを取るリスクが高まった、というのが正直なところだろう。

プリツカー知事は財政再建を優先課題に掲げており、暗号資産をその財源の一つとして位置づけた可能性が高い。ただ、課税強化で企業が逃げれば税収そのものがゼロになる。このジレンマは日本でも馴染み深い話だ。


市場への含意

直接的な価格インパクトは限定的だろう。イリノイ州単体の政策がBTCやETHの板を動かすほどの材料にはなりにくい。

ただ、注視すべきポイントが二つある。

一つ目は米国内での規制分断リスク。州ごとに課税ルールが異なると、企業は移転コストを嫌い、事業計画の複雑性が増す。特にDeFiプロトコルやNFTプラットフォームのように、サービス提供地が曖昧な事業者にとって法的リスクが高まる。

二つ目は模倣リスク。イリノイ州の動きが成功(歳入増)と評価されれば、財政難の他州が追随する可能性がある。米国は50州それぞれが独自に動ける構造のため、最悪のシナリオでは複数州でのパッチワーク的課税が広がりかねない。

一方、連邦レベルの統一的な規制が確立されれば、州法の影響力は相対的に下がる。現時点ではどちらに転ぶか読み切れない部分が残っている。


まとめ

イリノイ州のDigital Asset Tax Actは、暗号資産業界が「米国最悪の税制」と断ずるほどの強硬策だ。プリツカー知事の署名で法律として発効した事実は重く、同州内で事業を展開する企業や投資家には即座の影響が生じる。連邦規制が整備されつつある流れに逆行するこの動きが、他州への波及を招くのか、あるいは孤立した例外にとどまるのか。今後の各州の動向を引き続き追う必要がある。


よくある質問

Q1. デジタル資産税法(Digital Asset Tax Act)とは何か?

デジタル資産税法とは、暗号資産(仮想通貨)をはじめとするデジタル資産の取引・保有・生成(マイニングやステーキングなど)に対して課税するための法律の総称。今回イリノイ州で成立したものは米国の州レベルの法律であり、同州内で暗号資産ビジネスを営む企業や個人に適用される。連邦税とは別立てで課される点が特徴で、業界団体はその課税強度の高さから「懲罰的」と反発している。

Q2. この法律は日本の投資家にも影響するか?

直接的な影響はほぼない。ただし、米国市場全体の規制環境の悪化は、米国拠点の大手取引所やDeFiプロジェクトの事業縮小につながる可能性があり、間接的に流動性や市場心理に波及することはあり得る。また、日本の規制当局が海外の動向を参考にする場面では、イリノイ州のケースが「強化の事例」として引用されるリスクも無視はできない。

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