Hungary to scrap Orban-era crypto rules that carried jail terms: reports
ポイント
- ハンガリー政府がオルバン政権時代に導入された暗号資産取引の刑事罰規定を廃止する方針を固めた
- 旧規制は暗号資産取引に**禁固刑(懲役)**を科す内容で、EU域内でも極めて異例の厳しさだった
- フィンテック大手のRevolutはこの規制を受けてハンガリーでの暗号資産サービスを一時停止した経緯がある
- 規制緩和によって同国の暗号資産市場は再活性化が見込まれ、欧州全体の規制環境とも整合する方向へ向かう
ハンガリーが暗号資産取引を事実上「犯罪」として扱ってきた旧体制を清算する。オルバン政権下で導入された刑事罰規定を撤廃し、取引の非犯罪化(デクリミナリゼーション)に踏み切ることが報じられた。
オルバン時代の「異端的」規制とは何だったのか
EU加盟国の中でも、暗号資産取引者に対して刑事罰——つまり懲役刑——を科す法制度を持つ国はほとんど存在しない。ハンガリーはその数少ない例外だった。
この規制が実際に業界へどれほど打撃を与えたか、Revolutの事例が如実に示している。デジタルバンキングとして欧州で圧倒的なユーザー数を誇る同社は、ハンガリー向けの暗号資産関連サービスを停止せざるを得なかった。法的リスクが大きすぎると判断したためだ。他の事業者も同様の対応を取ったと見られ、結果としてハンガリーのユーザーは正規の暗号資産サービスへのアクセスを事実上制限されていた。
政治的文脈も無視できない。オルバン・ビクトル前首相率いる「フィデス」政権は長らく金融市場や資本移動に対して管理強化の姿勢を示してきた。暗号資産への厳しい姿勢もその延長線上にある。政権交代後、新政府が最初に着手した改革の一つとしてこの規制撤廃が浮上したことは、方向性の転換を象徴する動きだ。
EU全体の流れとの摩擦
欧州では2024年にMiCA(暗号資産市場規制)が本格施行され、加盟国全体で統一されたルールの整備が進んでいる。MiCAは取引所や発行体に対してライセンス取得・情報開示義務などを課すが、取引行為そのものを刑事罰の対象とするような規定はない。
ハンガリーの旧法はMiCAの精神とも明らかに相容れなかった。EU全体がWeb3インフラの整備に向かう中、ハンガリーだけが「取引者を逮捕できる国」として残るのは長期的に維持困難だった。筆者は今回の撤廃は規制上の矛盾を解消する「必然の一手」だったとみている。
市場への含意
短期的な影響として注目されるのはRevolut案件だ。同社がハンガリーでの暗号資産サービスを再開するかどうかが、最初の試金石になる。ユーザー数の多い同社が復帰すれば、ハンガリー国内の取引量は数字として現れてくるはずだ。
中長期的には、ハンガリーが東欧・中欧圏のWeb3ハブとして再浮上するシナリオが考えられる。税制面や人件費の観点からも同地域は魅力的であり、刑事リスクが消えれば海外の暗号資産企業が改めて進出を検討する可能性がある。
ただし、「脱犯罪化」はあくまで規制の基本ラインを引き直す話であって、完全な自由化とは異なる。今後ライセンス要件や税務申告義務がどう整備されるかによって、実際のビジネス環境が決まる。プラットフォーム側が現地法人設立や再進出を判断するには、細則の確認が必要になる局面もある。
板の動きという意味では、ハンガリー単体の影響がBTCやETHのグローバル価格を動かす規模感はない。ただ、欧州各国で規制環境が段階的に整備される流れの一部として、全体的なセンチメント改善に寄与するピースにはなる。
まとめ
ハンガリーがオルバン政権時代の暗号資産刑事罰規定を廃止する方針は、同国市場の再開放を示すシグナルだ。Revolutが業務を停止するほど厳しかった規制が消えることで、フィンテック企業の再進出や国内取引の活性化が現実味を帯びる。MiCAを軸とするEU共通の規制枠組みとの整合性という観点でも、遅すぎたくらいの是正といえる。細部の立法化がどう進むか、引き続き注視が必要だ。
よくある質問
Q1. 暗号資産の「非犯罪化(デクリミナリゼーション)」とはどういう意味か?
非犯罪化とは、これまで刑事罰(逮捕・起訴・禁固刑など)の対象となっていた行為を、刑法の適用外とすることを指す。禁止が解除されるわけではなく、「刑事事件として扱わない」という位置づけの変更だ。ハンガリーの場合、暗号資産を取引した個人や事業者が懲役刑のリスクを負う状態が解消される。行政上の規制(ライセンス義務や税務申告)は別途存在しうる点には注意が必要だ。
Q2. Revolutはなぜハンガリーでのサービスを停止していたのか?
ハンガリーの旧規制が暗号資産取引に刑事罰を科す内容だったため、現地でサービスを提供することが法的リスクに直結した。プラットフォームが仲介者として取引を促進した場合、責任を問われる可能性があると判断したとみられる。EU内で最もユーザーベースの大きいデジタルバンクの一つが撤退を余儀なくされた事実は、旧規制の異常な厳しさを象徴するエピソードとして業界内でも広く知られている。
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