EconomicsMay 18, 2026 12:40·4 min read

Tokenization push could pull trillions of dollars into DeFi, StanChart says

Tokenization push could pull trillions of dollars into DeFi, StanChart says
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ポイント

  • スタンダードチャータード銀行が、資産トークナイゼーションの拡大によりDeFi(分散型金融)市場に数兆ドル規模の資金流入が起こりうると予測
  • 現実資産(RWA)のオンチェーン化が進むことで、従来型金融とDeFiプロトコルの接続が加速する見通し
  • 国債・社債・不動産などをトークン化した資産が、DeFiの流動性プールや担保として機能し始めている
  • 規制整備の進展が機関投資家の参入障壁を下げ、RWAトークン市場の拡大を後押しする構図

スタンダードチャータード銀行がRWA(現実資産)トークナイゼーションの波及効果について踏み込んだ見方を示した。伝統的金融市場に眠る数兆ドル規模の資産がオンチェーンに移行した場合、DeFiエコシステムが受け取る恩恵は想像以上に大きい——そう市場は受け止めている。


DeFiと伝統金融の「壁」が崩れ始めた背景

DeFiはこれまで、その担保資産の大部分を暗号資産に依存してきた。BTCやETHなど価格変動の大きい資産を担保にするモデルは、機関投資家にとって常にリスク管理上のネックだった。

ところがここ2〜3年で、米国債や社債、マネーマーケットファンド持分などをブロックチェーン上でトークン化する動きが一気に加速した。BlackRockが展開するBUIDLファンド(オンチェーン国債ファンド)はその象徴例で、数十億ドル規模にまで成長している。Franklin Templetonも同様のオンチェーンマネーファンドを運営しており、大手資産運用会社がこの分野に本腰を入れ始めたのは明確な潮目の変化だ。

スタンダードチャータードが注目するのは、この流れがDeFiの「担保インフラ」を根本から変えうるという点だ。価格が安定したRWAトークンが担保として広く使われるようになれば、DeFiプロトコルの信頼性と資本効率は大幅に改善する。機関マネーが入りやすい環境が整うことで、流動性の厚みも別次元になる可能性がある。


なぜ今この話が重要なのか

タイミングを見ると、米国でのステーブルコイン規制法案(GENIUS法案)や市場構造法案の審議が進んでいる。規制の輪郭が見えてくるほど、コンプライアンス重視の機関投資家が動きやすくなる。スタンダードチャータードの見立ては、この規制整備の進展を前提にしている部分が大きい。

筆者がとくに興味深いと思うのは、DeFiプロトコル側の変化だ。Aaveなど主要プロトコルはすでにRWAを担保として受け入れるアップグレードを進めており、オンチェーンとオフチェーンの境界線が実務レベルで溶け始めている。「DeFiはギャンブル場」という時代は終わりに近づいている、と個人的にはみている。


市場への含意

流動性の再配分という視点で読むべき話だ。

仮にグローバルの債券・株式・不動産市場のごく一部——たとえば1〜2%——がトークン化されてオンチェーンに移行するだけで、その規模は数兆ドルに達する。これがDeFiの担保・流動性プールに流れ込めば、プロトコルのTVL(総預かり資産)は現在とは桁が変わる。

ただし、いくつか留意点がある。

  • スマートコントラクトリスク:RWAをオンチェーンで扱う際のコードバグや設計上の脆弱性は依然として無視できない
  • 法域をまたぐ規制リスク:国によってトークン化資産の法的位置づけが異なり、国際的な流動性統合には時間がかかる
  • オラクル(価格フィード)の信頼性:オフチェーン資産の価格をオンチェーンに正確に反映させる仕組みの成熟度がカギを握る

DeFiトークン(特にインフラ系・レンディング系プロトコルのガバナンストークン)への影響は中長期では正方向だが、短期的な価格反応は別問題だ。板の動きに引っ張られて早まった判断はしないほうがいい。


まとめ

スタンダードチャータードの分析は、RWAトークナイゼーションがDeFiの「次の成長エンジン」になりうるという市場の期待に銀行サイドから根拠を与えるものだ。現実的に数兆ドル規模の移行が実現するかは規制・技術・市場参加者の意思決定が絡み合うが、方向性としては複数の大手金融機関が同じ絵を描いている。インフラが整いつつある今、この分野から目を離すのはもったいない局面だ。


よくある質問

Q1. RWAトークナイゼーションとは何か?

RWA(Real World Assets=現実資産)トークナイゼーションとは、国債・社債・不動産・ファンド持分といった現実世界の金融資産をブロックチェーン上のトークンとして表現する技術・手法のことだ。従来は証券会社や銀行を通じてしか取引できなかった資産を、スマートコントラクトで自動執行可能な形にすることで、24時間取引・少額分割・プログラマブルな運用が可能になる。DeFiとの統合により、これらのトークンが担保や流動性提供に使われ始めているのが現在の潮流だ。

Q2. DeFiへの数兆ドル流入が実現するための最大の障壁は何か?

最大の障壁は規制の国際的な不統一だ。米国ではSEC(証券取引委員会)やCFTC(商品先物取引委員会)の管轄争いが続いており、欧州のMiCA規制、アジア各国の対応も足並みが揃っていない。どの国の法律に基づいてトークン化資産を発行・取引するかという問題が解決されない限り、機関投資家は大規模な資金移動に慎重なままだ。技術的な成熟度よりも、この法制度の整備スピードが実質的な流入タイミングを左右するとみている。

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