CryptoJun 13, 2026 03:14·11 min read

What Is Pendle (PENDLE)? The DeFi Innovator Turning Yield Trading Upside Down — A Complete Guide Through the Major sPENDLE Upgrade

What Is Pendle (PENDLE)? The DeFi Innovator Turning Yield Trading Upside Down — A Complete Guide Through the Major sPENDLE Upgrade
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ポイント

  • 利回りを元本(PT)と利回り権(YT)に分離して取引できる、DeFi史上最も独創的なプロトコルのひとつ
  • 2025年の平均TVL(プロトコルに預け入れられた総資産)は約57億ドルと前年比76%増、ピーク時には約134億ドルに達したという圧倒的な実績を持つ
  • 2026年1月、従来の2年ロックが必要だったvePENDLEモデルを廃止し、14日間の引き出し待機期間で流動性を確保する新トークン「sPENDLE」へ移行。プロトコル収益の最大80%をPENDLEの買い戻しに充てる仕組みに変わった
  • 現時点でPENDLEは日本国内の取引所には上場しておらず、購入には海外取引所またはDEXを利用する必要がある

DeFiで「利回りを売買する」という発想は、伝統金融の金利スワップをブロックチェーン上に移植したものだ。その最前線にいるのがPendleだ。筆者が最初にこのプロトコルを触ったのはLRT(流動性リステーキングトークン)ブームの最中だったが、正直に言えば当初は仕組みの複雑さに戸惑った。しかし一度理解すると「なぜ今まで誰もやらなかったのか」という驚きに変わる。


Pendle(ペンドル)とは

Pendleは金融市場に古くから存在する金利デリバティブの仕組みをオンチェーンで再現したプロトコルだ。TVLは2023年初頭の2.3億ドルから2025年8月のEigenLayer・LRTブームのピーク時には約89億ドルにまで拡大。2026年現在、そのユースケースはDeFiイールドファーミングにとどまらず、固定利回りDeFi(PTをゼロクーポン債として活用)、利回り投機(YTをレートデリバティブとして使う)、そして後述するBorosを通じた1日あたり1,500億ドル規模のパーペチュアル資金調達レート市場にまで広がっている。

一言で表すなら、「DeFi版の債券市場」だ。

Pendleは世界最大の暗号資産利回り取引プラットフォームを標榜しており、UniswapやAave、Hyperliquidと並ぶ主要DeFiプロトコルとしての地位を確立している。


仕組み・技術

PT(元本トークン)とYT(利回りトークン)の分離

Pendleの核心はシンプルだ。stETH(イーサリアムをステーキングして得られる利回り付き資産)のような**イールドベアリングトークン(利回り内包資産)**を持ち込むと、プロトコルはそれを2つに分割する。

  • PT(Principal Token:元本トークン) — 満期日に原資産1単位と交換できる。満期前は割引価格で取引される。実質的にゼロクーポン債に近い動きをする。
  • YT(Yield Token:利回りトークン) — 満期日までの利回り収益を丸ごと請求できる権利。利回りが上昇すると価値が上がり、下落すると下がる。

Pendleはこのように、例えばAaveやCompoundのような DeFiプロトコルへの投資を「元本部分」と「見込み利回り部分」に分割し、それぞれをPT・YTとして公開市場で取引可能にしている。

実際の例で言えば、stETHを持ち込んで3ヶ月後満期のPTを購入すれば、3ヶ月間「固定利回り」での運用が確定する。逆にYTを買えば、その期間中の利回りが予想より高くなれば利益が出る——伝統金融で言う金利スワップのロングポジションに近い感覚だ。

Pendle AMM(自動マーケットメーカー)

PTもYTも、Pendle独自のAMM(流動性を自動管理するスマートコントラクト)上で売買できる。一般的なDEX(分散型取引所)のAMMと異なり、Pendle AMMは満期日に近づくにつれてインパーマネントロス(変動損失)が自動的に収束するように設計されている点が特徴的だ。

Boros——資金調達レートのデリバティブ市場

2025年末に登場したBorosは、パーペチュアル先物の資金調達レート(ファンディングレート)をオンチェーンでトークン化し、従来は取引不可能だったその利回りを売買可能にした全く新しい仕組みだ。ローンチから4ヶ月でオープンインタレスト約69億ドル、デポジット9,100万ドルを達成し、手数料は約30.1万ドルを積み上げた。

sPENDLE——2026年の大型トークンアップグレード

2026年1月、Pendleは従来の硬直的な2年間ロックのvePENDLEモデルをsPENDLEに置き換えた。sPENDLEは14日間の引き出し待機を持つ流動性ステーキングトークンで、プロトコル収益の最大80%がPENDLE買い戻しとしてsPENDLE保有者に還元される。またアルゴリズムによる排出量配分で約30%の排出削減も実現し、低参加率と資本非効率の課題を解決するものとして位置づけられている。

共同創業者兼CEOのTN Leeは「このアップグレードはPendleとBorosの両方をスケールさせるための構造的な改善だ。伝統的な固定収益市場の効率性とスケールをDeFiに持ち込むことが常に目標だった。これによりPendleはより堅牢で持続可能、かつ機関投資家に対応できたイールドインフラになる」と語っている。

マルチチェーン展開

Pendleはイーサリアムとアービトラムを超えて、複数のブロックチェーンネットワークへの展開を続けている。対応チェーンはMainnet・Arbitrum・BNB Chain・Optimism・Mantaなど多岐にわたる。


歴史・主要マイルストーン

| 時期 | 出来事 | |------|--------| | 2021年 | メインネットローンチ、初期のイールドトークン化の実験期 | | 2023年前半 | LSD(流動性ステーキングデリバティブ)ブームでTVL急拡大、2億ドル台から数十億ドルへ | | 2024年前半 | LRT(EigenLayer・リステーキング)ブームの主役プロトコルに。ポイント獲得ハブとして日本のDeFi勢にも広く認知される | | 2024年4月 | PENDLE史上最高値圏(ATH約7.5ドル前後)を記録 | | 2025年 | 累計手数料約4,460万ドル(前年比+134%増)、90日トレーリング平均での月次名目取引量は約540億ドルに達する | | 2025年末 | Borosローンチ。資金調達レートのデリバティブ取引を開始 | | 2026年1月 | コアスマートコントラクトリポジトリをリードオンリーにアーカイブ化。安定・成熟したコードベースとして位置づけ、sPENDLEへのトークン移行を発表 | | 2026年3月 | 利回り戦略の主要プラットフォームとして2026年版イールドガイドに掲載 | | 2026年5月 | Michael Saylor率いるStrategyの資産に紐づいた2.3億ドル規模のTVL急増が観測され、24時間で7.32%の上昇を記録 |


現在の市場動向(2026年5〜6月時点)

2026年6月時点でのPENDLE価格は約1.68ドル前後で推移しており、時価総額は約2.86億ドル、流通量は約1.697億PENDLEとなっている。市場全体での順位はおよそ100〜130位付近だ。

2024年のピーク(ATH:約7.5ドル)からは大幅に下落した水準にある。2025年12月から2026年4月7日にかけてPENDLEは3ドル台から1ドル割れの水準まで約67%の下落を経験した。ただし直近では7日間で約29.8%の急反発も観測されており、出来高は96.9%急増、オープンインタレストも23.6%上昇して4,100万ドルに達するなど、レバレッジを交えた動きが見られた。

機関投資家の動きも注目点だ。2026年3月にはPendleがEU機関投資家向けの規制準拠トークン化利回り商品に統合され、年率7〜12%のリターンを目指す運用戦略に採用された。またPendleのPT-srUSDe(2026年6月25日満期)をAave V3のコラテラルとして利用することを認めるガバナンス提案が100%賛成で可決、3,000万ドルのサプライキャップが承認された。

Pendleはクリプトネイティブなイールドツールから、自動化されたDeFi戦略と規制された機関向け商品の両方における基盤コンポーネントへとシフトしつつある。


日本での購入方法

PENDLEは国内の認定暗号資産交換業者には現時点で上場しておらず、購入するには海外取引所かDEXを経由する必要がある。bitFlyer・Coincheck・GMOコイン・SBI VC Trade・BITPOINTいずれも取扱なしだ。

具体的な手順としては以下が一般的だ。

  1. 国内取引所(SBI VC TradeやbitFlyerなど)でETHを購入し、自分のウォレット(MetaMaskなど)へ送金する
  2. 海外集中型取引所(Binance・Bybit・OKX・Bitgetなど)へ送金してPENDLEと交換するか、
  3. UniswapやBalancerなどのDEXで直接スワップする。Pendleプロトコルを直接使うならArbitrumやEthereum MainnetのウォレットにPENDLEを持ち込む方が使いやすい

なお、ETHをArbitrumブリッジ経由でArbitrumネットワークに移し、Pendle.finance上で直接PT/YTを取引する使い方も多い。ガス代(ガス代=ブロックチェーン上の取引手数料)はMainnetより安価なArbitrumが実際には使いやすい。


投資リスクと注意点

プロトコル固有のリスク

満期リスク・利回り変動リスク:YTは満期日に価値がゼロに近づく性質がある。「買っただけで放置」は危険なポジションになりうる。PT保有であれば満期まで持てば元本は戻るが、途中売却時は価格変動の影響を受ける。

スマートコントラクトリスク:Pendleのコアコントラクトリポジトリはすでにリードオンリーにアーカイブされており、コードの安定性は高いが、DeFi全般においてスマートコントラクトの脆弱性リスクはゼロにはならない。

流動性リスク:マーケットによっては流動性が薄く、大きな価格スリッページが発生する。特に満期日が近いプールでは注意が必要だ。

市場リスク

PENDLEトークン自体の価格は2024年のピークから大幅に下落した実績があるように、DeFiトークン全般の例に漏れず非常にボラティリティ(価格変動率)が高い。

税金

日本の税制上、暗号資産の売買益・利回り収益はいずれも雑所得として扱われ、他の所得と合算した累進課税が適用される。最大税率は住民税を合わせて**約55%**に達する。PTの満期時の受け取りも、YTで受け取った利回りも課税対象となるため、確定申告の管理は複雑になりやすい。税理士やDeFi対応の税務計算ツール(Cryptactなど)の活用を強く勧める。


まとめ

Pendleは「利回りを商品として取引する」という伝統金融の概念をDeFi上で本格実装した、カテゴリ定義型のプロトコルだ。固定収益DeFi、レートデリバティブ、さらにはBorosを通じた資金調達レート市場という3つの機関グレード市場でのプレゼンスを持つ点は、他のDeFiプロトコルと一線を画す。

2026年1月のsPENDLEへの移行と、機関投資家資金の流入という構造的な変化が進む中、プロトコルとしての成熟度は高まっている。一方で、PENDLEトークン価格はピークから大幅に調整した水準にあり、市場における評価はまだ揺れている状態だ。仕組みの複雑さゆえに「使ってみて初めてわかる」部分が多い——まずPendle.financeのUIを触り、PTを小額で試すところから始めるのが最も確実な理解の近道だと思う。


よくある質問

Q1. PTとYTはどう使い分ければいい?

PT(元本トークン)は「利回りを固定化したい、安全に運用したい」人向けだ。満期まで持てば確定利回りが得られるゼロクーポン債に近い。YT(利回りトークン)は「これから利回りが上昇すると予想する」人が利回りの値上がりにベットするための商品で、満期日に価値がゼロに向かうため時間が敵になる。利回りの方向性に強い見通しがない限り、初心者にはPTの方が扱いやすい。

Q2. sPENDLEとPENDLEの違いは?

sPENDLEは2026年1月に導入されたPENDLEの新しいステーキング形態だ。従来のvePENDLEが2年間のロック期間を要したのに対し、sPENDLEは14日間の引き出し待機期間で流動性を大幅に向上させた。sPENDLE保有者にはプロトコル収益の最大80%が買い戻しを通じて還元される。PENDLEトークンをsPENDLEとしてステーキングすることで、ガバナンス参加と収益分配の両方を得られる仕組みだ。

Q3. Borosとは何か?Pendleとどう違う?

Borosは、パーペチュアル先物の資金調達レート(ファンディングレート)をトークン化し、これまで取引不可能だったこの利回りストリームを売買可能なオンチェーン商品に変換した全く新しいプラットフォームだ。Pendle本体がLSTやRWAなどの「スポット利回り」を対象とするのに対し、BorosはCEX(中央集権型取引所)の先物市場から生じる「ファンディングレート利回り」を対象とする。両者は補完的な関係にあり、Pendle FinanceのブランドのもとでBorosも運営されている。

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