経済2026年06月03日 10:29·4分で読めます

AI株に注目集まる中、暗号資産は「逆張り投資」へ——Bitwiseが市場の温度変化を指摘

AI株に注目集まる中、暗号資産は「逆張り投資」へ——Bitwiseが市場の温度変化を指摘
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ポイント

  • Bitwise(バイトワイズ)のCIO(最高投資責任者)マット・ハウガン氏が、暗号資産市場が現在「コントラリアン・ベット(逆張り投資)」の局面にあると指摘
  • AI関連株に投資家の注目が集中する中、クリプトへの資金流入は相対的に後退している
  • 市場センチメントが「ムード主導」から「ファンダメンタルズ重視」へシフトしており、雰囲気や話題性だけでは玉が動かない状況
  • 熱狂が冷めた局面こそ、確信を持った投資家だけが残るという「市場の選別」が進行中

AI株バブルの熱気が市場を席巻する中、暗号資産は主役の座を一時的に明け渡している。Bitwiseの運用トップが「今のクリプトは逆張りの賭け」と言い切った背景には、投資家の行動様式そのものが変わりつつある現実がある。


AIブームに食われたクリプトの存在感

2024年から2025年にかけてビットコインが史上最高値を更新し、機関投資家の参入やETF(上場投資信託)承認が続いた。あの熱狂はどこへ行ったのか。

答えは単純で、マネーはAIに流れた。エヌビディア(NVIDIA)を筆頭とするAI関連銘柄の上昇が市場の話題を独占し、リスクオン資金の行き先として暗号資産よりも"わかりやすいストーリー"を持つAI株が選ばれている。

Bitwiseのマット・ハウガン氏はこの状況を的確に表現した。クリプトへの信頼自体が消えたわけではないが、今は「ムード(雰囲気)で買う時代」ではなく、「ファンダメンタルズで判断する時代」になったという見立てだ。

筆者がこの発言で注目したのは「vibes(バイブス)」という単語の使い方だ。2021年のNFTブームや2023年のミームコイン相場は、まさにバイブス——SNSの熱狂、コミュニティの盛り上がり、FOMOが価格を動かしていた。それが機能しなくなっているという指摘は、市場構造の本質的な変化を示唆している。


「逆張り投資」とは何を意味するのか

コントラリアン・ベットという言葉は、単に「下がっているから買い」という意味ではない。周囲の注目が薄れ、センチメントが冷えているからこそ、本質的価値を見極めた投資家だけが参入するフェーズを指す。

強気相場の終盤では、玉を持っていない人間がFOMOで追いかけ、結果として高値づかみが増える。逆張り局面ではそれが起きない。買っているのは「確信組」だけだ。

今のBTCや主要アルトコインの板を見ると、大口の動きが散発的で方向感が乏しい。熱狂的な個人投資家の買いが薄く、機関投資家が静かにポジションを積んでいるかどうかを見極めにくい状態が続いている。ハウガン氏の発言は、そうした地味な現実を言語化したものとも読める。


市場への含意

ファンダメンタルズ重視のシフトは、長期的にはプラス材料になり得る。 バイブスで動く市場はボラティリティが激しく、持続可能性に欠ける。一方でファンダメンタルズを見る投資家が主体になれば、価格形成がより合理的になる側面がある。

ただし短期トレーダーには厳しい環境でもある。話題性やモメンタムで稼いできたスタイルは機能しづらく、オンチェーン指標やマクロ環境の読みが問われる局面だ。

注目すべきはAIとクリプトの交差点——AIエージェントを活用したDeFi(分散型金融)や、ブロックチェーン上で動くAIインフラといったセクターは、両方の物語を内包するため機関投資家の視線を集めやすい。マネーの流れが再び戻ってくるとすれば、この領域からという見方は現実的だ。

また、「逆張り局面」は通常、次の上昇相場の仕込み期間と一致することが多い。2018〜2019年の冬の時代も、振り返れば静かに積み上げる時間だった。今がそのフェーズかどうかは断言できないが、少なくともハウガン氏はそう読んでいる。


まとめ

AI株フィーバーの陰で、暗号資産は主役を降りた。Bitwiseのハウガン氏が「逆張り投資」と評した現状は、マーケットの冷却を示すと同時に、熱狂抜きで本質を見る投資家だけが残るフェーズに入ったことを意味する。バイブスが通用しない分、ファンダメンタルズの分析力が差を生む局面だ。次のトリガーが何になるかは読めないが、市場の選別は静かに進んでいる。


よくある質問

Q1. コントラリアン・ベット(逆張り投資)とはどういう意味か?

コントラリアン・ベットとは、市場の多数派が注目していない、あるいはセンチメントが悲観的な資産に対してあえて投資するスタンスのこと。周囲の熱狂が冷めた局面で、価値を信じる投資家だけが参入するため、次の相場サイクルの仕込み期間と重なりやすい。今回の文脈では、AI株に資金と注目が集中する中でクリプトが相対的に地味な存在になっており、その状態を指してハウガン氏が使った表現だ。

Q2. Bitwiseとはどのような会社で、なぜその発言が注目されるのか?

Bitwiseは米国を拠点とする暗号資産特化型の資産運用会社で、ビットコインや複数のアルトコインに連動するETFや指数ファンドを運用している。機関投資家向けのクリプト運用で実績を持ち、CIOのマット・ハウガン氏は規制当局への政策提言や市場分析でも知られる。同社の見解は機関投資家が暗号資産をどう評価しているかの「体温計」として、業界内で参照されることが多い。

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