経済2026年05月24日 03:01·5分で読めます

ビットコイン、株・債券に対する出遅れを解消か――ウォール街優位の時代に終止符

ビットコイン、株・債券に対する出遅れを解消か――ウォール街優位の時代に終止符
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ポイント

  • 2025年初頭以降、BTCはS&P500や米国債に対してパフォーマンスが劣後していたが、その構図が転換しつつある
  • マクロ環境の変化(米ドル安・金利上昇一服)がビットコインの相対的な優位性を再び押し上げる要因になっている
  • 機関投資家のビットコインETFへの資金流入が継続しており、「株式代替資産」としての需要が再燃している
  • 半減期(2024年4月)後の需給タイト化が時間差で価格に反映されるサイクルに入ったとみられる

2025年前半、ビットコインはナスダックやS&P500の上昇に乗り遅れ、「オルタナ資産としての魅力が薄れた」と評する声もあった。だが足元の状況は変わりつつある。マクロの逆風が和らぎ、BTCが再び株・債券を上回るパフォーマンスを見せる条件が整ってきた。


ウォール街優位だった背景

昨年後半から今年にかけて、米国株は企業業績の底堅さとAI関連銘柄への集中買いで堅調を維持した。一方、ビットコインは2024年3月に記録した約7.3万ドルの高値圏から調整局面に入り、ドル建てリターンでS&P500を下回る時期が続いた。

この「アンダーパフォーム」の主因はいくつかある。まず、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待が後退し、リスク資産全般に対して売り圧力がかかったこと。次に、マウントゴックス(Mt.Gox)の弁済に絡む売り圧力が市場の重荷となったこと。そして米国の現物ETF承認直後の「噂で買って事実で売る」的な玉整理が一巡するまでに時間がかかったこと、などが挙げられる。

筆者は当時から「これは構造的な転落ではなく、過熱冷却の調整局面だ」とみていた。結果的にその読みは外れていなかったようだ。


潮目が変わった理由

転換点として機能しているのが、ドル指数(DXY)の軟化だ。米財政赤字問題や債務上限交渉の混迷が続く中、ドルへの信頼感が揺らぎ始めている。歴史的にビットコインとDXYは逆相関を示すことが多く、ドル安局面ではBTCに資金が流入しやすい。

加えて、2024年4月に起きた半減期の効果が「遅効性」で効いてくる時間帯に差し掛かっている。過去3回の半減期(2012年・2016年・2020年)でも、実際の価格爆発は半減期から半年〜1年後に集中した。その法則が今回も再現するなら、2025年後半から2026年前半にかけてが本番ということになる。

ビットコインETFへの資金フローも見逃せない。ブラックロック(BlackRock)の「IBIT」を中心に、機関マネーの流入が断続的に続いている。株式市場の不確実性が高まるほど、ポートフォリオの一部をBTCにアロケートしようとする動きは強まる。


市場への含意

トレーダー目線で整理する。

ロング勢にとって、現在の相場は「踏み上げ」を仕掛けやすい地合いに移行しつつある。ショートポジションの積み上がりが確認できる局面では、わずかな上値ブレイクがショートスクイーズのトリガーになりうる。

リスク管理の観点では、株式相関が一時的に高まる場面にも注意が必要だ。リスクオフ局面で株とBTCが同時に売られるシナリオは、2022年のFRB利上げ加速局面で実証済みだ。「株の代替」として機能するのは、あくまでマクロが安定しているときという条件付きであることを忘れてはいけない。

債券との比較では、実質金利が再び低下する局面でBTCの相対的な魅力が増す。インフレ再燃が起きれば「デジタルゴールド」としての需要が戻ってくる可能性は十分ある。

個人的には、今が「静かな仕込み時」に見える。派手な強気論が出回っている相場よりも、こうした"地味な転換期"のほうが実際にはリターンが出やすい局面が多い。


まとめ

ビットコインが株・債券に対して出遅れていた局面は、構造的な凋落ではなく調整の範囲内だった。ドル軟化、半減期の遅効性、ETFへの継続的な資金流入――この3つが同時に作用し始めており、BTCが相対パフォーマンスで再び優位に立つ条件は整いつつある。ただし、マクロの急変リスクは常に存在する。板の動きと外部環境の変化を丁寧に追っていきたい。


よくある質問

Q1. ビットコインの「半減期」とは何か、価格にどう影響するのか

半減期とは、ビットコインのマイニング(採掘)報酬が約4年ごとに半分に減少するイベントのことを指す。直近では2024年4月に発生し、ブロック報酬が6.25BTCから3.125BTCに減少した。新規供給量が強制的に減るため、需要が一定であれば需給がタイト化して価格に上昇圧力がかかる、というのが基本的なメカニズムだ。過去のデータでは、半減期後の6〜18ヶ月間に大幅な上昇が起きるパターンが繰り返されており、多くのアナリストが今回も同様のサイクルを想定している。

Q2. ビットコインETFとは何か、従来の仮想通貨投資と何が違うのか

ビットコインETF(上場投資信託)とは、BTCを直接保有することなく、証券口座を通じてビットコインの価格変動に連動した投資ができる金融商品だ。2024年1月に米国SEC(証券取引委員会)が現物型を承認したことで、年金基金や機関投資家など従来は仮想通貨取引所を利用できなかったプレイヤーが参入しやすくなった。コールドウォレット管理やシードフレーズ管理といった技術的ハードルが不要なため、「仮想通貨は難しい」と感じていた投資家層への間口を大きく広げた点が最大の意義だ。

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