経済2026年05月29日 12:23·5分で読めます

NYSE設計者が「HyperliquidはNasdaqより巨大」と発言——JPモルガンは切り下げトレード巻き戻しを指摘

NYSE設計者が「HyperliquidはNasdaqより巨大」と発言——JPモルガンは切り下げトレード巻き戻しを指摘
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ポイント

  • 現代のNYSE(ニューヨーク証券取引所)の仕組みを構築した人物が、分散型デリバティブ取引所Hyperliquidを「Nasdaqを上回る規模」と評した
  • JPモルガンは、ドル・法定通貨の価値毀損に備えるいわゆる「デベースメント・トレード(通貨切り下げトレード)」が現在巻き戻しの局面に入っていると分析
  • HyperliquidはDeFi(分散型金融)デリバティブ分野で急速に存在感を高めており、中央集権型取引所との比較が現実味を帯びてきた
  • 伝統的金融(TradFi)出身の重鎮による発言だけに、機関投資家の視線がオンチェーン取引インフラに向き始めているサインと読める

現代のNYSEアーキテクチャを設計したとされる人物が、オンチェーン永久先物取引所Hyperliquidの取引量・インフラ規模をNasdaqと比較し「それを超えている」と言い切った。同日、JPモルガンはビットコインや金などのデベースメント資産に集中していた資金フローが逆回転し始めているとのリポートを出した。2つの話題は一見別々だが、伝統金融とDeFiの境界線が溶け始めている今、同じ流れの中に置いて読むべきだ。


TradFi重鎮の"お墨付き"が持つ意味

Hyperliquidは2024年後半から2025年にかけて、オンチェーンの永久先物(パーペチュアル)市場でdYdXやGMXを抑えてシェアを急拡大させた取引所だ。完全オンチェーンのオーダーブック(板)を独自L1ブロックチェーン上で動かし、CEX(中央集権型取引所)並みの約定速度を実現している点が評価されている。

そこに今回、NYSE構造設計に関わったとされる人物からの"格付け"が加わった。Nasdaq——世界最大級の株式・オプション取引所の一つ——と同等以上という評価は、規模の話だけではない。インフラの質、マーケットメイクの深度、板の厚みに対する評価と解釈するのが自然だろう。筆者はこれを、機関投資家がオンチェーン取引所を「実験場」から「インフラ」として再定義し始めたシグナルとみている。

従来、TradFi出身者がDeFiプロトコルを賞賛するケースはあっても、具体的な伝統市場との比較を数値感覚込みで語ることは稀だった。この発言が広く引用されているという事実自体、業界の空気の変化を示している。


JPモルガンが言う「デベースメント・トレード巻き戻し」とは

デベースメント・トレードとは、財政赤字の拡大・中央銀行のバランスシート膨張・ドル信認低下を根拠に、ビットコイン・金・実物資産などへ資金を移す戦略のことだ。2024年から2025年初頭にかけてこの文脈でBTCを買い入れた機関は少なくない。

JPモルガンの分析は、そのポジションが今「巻き戻し(アンワインド)」フェーズに入っているという指摘だ。踏み上げではなく、利益確定や戦略変更による売り圧力が出てくる可能性を示唆している。ドルが一定の底堅さを見せ始めた局面では、こうした資金の動きは起こりやすい。

ただし「巻き戻し」はトレンド終焉を意味するわけではない。短期のリバランスなのか、構造的な転換点なのかは、今後の米財政・FRB動向次第だ。ここを混同すると判断を誤る。


市場への含意

2つのニュースを並べると、市場に対して異なる方向のシグナルを送っている。

Hyperliquidへの高評価はDeFiデリバティブ市場に対する強気材料で、HYPEトークンや関連するオンチェーンエコシステムへの注目度を高める。機関マネーがオンチェーンインフラを"本物"と認識し始めれば、流動性の質と量は変わる。

一方、デベースメント・トレードの巻き戻しはBTCや金のポジション整理を促す可能性があり、短期的には売り圧を意識させる。特にレバレッジをかけたロングポジションを持つトレーダーにとっては、JPモルガンのこの見解は注視に値する。

2つを合わせると、「BTCなど伝統的デベースメント資産からのローテーションが、オンチェーンデリバティブ市場の流動性に向かう」というシナリオも考えられる。あくまで一つの読み筋だが、資金の行き先を追う上で頭に入れておく価値はある。


まとめ

NYSE設計者によるHyperliquid評価は、DeFiインフラが伝統金融の物差しで測られる段階に入ったことを象徴する出来事だ。同時にJPモルガンのデベースメント・トレード巻き戻し指摘は、2024年から続いたビットコイン強気の一つの根拠が再点検される局面を示唆している。オンチェーンとオフチェーンの資金フローが複雑に絡み合う今、どちらの動きも単独で読まずに文脈ごと理解することが重要だ。


よくある質問

Q1. デベースメント・トレード(debasement trade)とはどういう意味か

通貨の購買力が政府の財政悪化や中央銀行の量的緩和によって目減りする(切り下げられる)リスクに備え、ビットコイン・金・コモディティなど「法定通貨以外の資産」に資金を移す投資戦略のこと。インフレヘッジや米ドル離れの文脈でよく語られ、特に2024年以降の機関投資家によるBTC購入の主要な根拠の一つとして挙げられてきた。

Q2. HyperliquidはNasdaqと何が違うのか

NasdaqはSEC(米証券取引委員会)規制下にある中央集権型の株式・オプション市場で、決済にはDTCC(米国預託信託・清算機関)など複数の中間機関が介在する。対してHyperliquidは独自のL1ブロックチェーン上で板管理・マッチング・清算をすべてオンチェーンで完結させる分散型永久先物取引所だ。カストディアンも仲介業者も不要で、ウォレットさえあれば誰でも参加できる設計になっている。今回の比較は規模・流動性・インフラの質という複合的な観点からなされたとみられる。

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