経済2026年06月27日 23:13·5分で読めます

CoinbaseとCircleが大型テック株に大きく劣後——暗号資産関連株の下落が加速

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ポイント

  • CoinbaseおよびCircleの株価下落率が、Oracle・Netflix・Salesforceといった主要テック株を上回り、暗号資産株の独歩安が鮮明になっている
  • 広義のテック市場が軟調な中でも、暗号資産関連銘柄の下げはより急で、セクター間の格差が拡大している
  • Circleは今年のIPO(新規株式公開)で注目を集めた直後に株価が失速しており、上場タイミングの悪さが投資家心理を冷やしている
  • 機関投資家のリスクオフが暗号資産株に集中している構図で、ビットコイン現物との連動が崩れつつある点に注意が必要

6月下旬、暗号資産関連株の下落がテック株全体の軟調ムードを超えるペースで進んでいる。CoinbaseとCircleはOracleやNetflix、Salesforceといったビッグテック銘柄を明確に下回るパフォーマンスとなっており、暗号資産セクターへの逆風の強さを改めて示した格好だ。


「テック安」の中で一段深く沈む暗号資産株

市場全体が神経質な動きを続ける中、テック株はそれなりに下げているが、暗号資産株はさらにその下に位置する。これはただの「つれ安」ではない。

OracleやNetflixはソフトウェア・エンタメという実需に根ざしたキャッシュフローを持つ。対してCoinbaseの収益はトレーディングボリュームに直結しており、相場が冷えると手数料収入が一気に萎む構造だ。投資家はそこをよく分かっている。売りが売りを呼ぶ展開になりやすいのはそのためだ。

Circleに関しては事情がやや複雑だ。USDC(米ドル連動型ステーブルコイン)の発行体として規制環境の整備による追い風を期待されてIPOに踏み切ったが、上場直後から株価の重さが目立つ。ステーブルコインの利回りは市場金利に左右され、利下げ局面ではCircleの利ざやが圧縮されるという構造リスクが意識されているとみている。


なぜ今、この乖離が広がっているのか

暗号資産株がビッグテックに劣後する背景には、複数の要因が重なっている。

まずマクロ環境。米連邦準備制度(FRB)の利下げ転換期待が後退している局面では、リスク資産の中でも「純粋なリスク」とみなされる暗号資産関連銘柄から資金が抜けやすい。機関投資家がポートフォリオのリスク調整を進める際、最初に外されるのは往々にしてこのセクターだ。

次に規制の不確実性。米国では暗号資産関連の立法が複数進行中だが、具体的な規制の輪郭はまだ定まっていない。Coinbaseは米SEC(証券取引委員会)との長期にわたる法的係争を経てきた経緯があり、投資家が一定のディスカウントを織り込むのは自然な流れでもある。

そして需給の問題。暗号資産株はビットコインETF(上場投資信託)の普及以降、機関投資家がBTCへの直接エクスポージャーを取りやすくなったことで、「Coinbase株を買えばビットコインに間接投資できる」という論理が以前ほど通じなくなっている。代替手段が増えた分、株式としての魅力が相対的に低下している。


市場への含意——トレーダーが見るべき3点

①暗号資産株とBTC価格の乖離を確認せよ BTCが横ばいや小幅下落にとどまっているにもかかわらず、CoinbaseやCircleが大きく売られる場面は「株式固有のリスク」が剥がれ落ちているサインだ。相関が崩れているとき、どちらかが織り込み過ぎている可能性がある。

②Circleのビジネスモデルと金利環境を切り離して考えない USDCの保有残高から生まれる利息収入はCircleの主要な収益源だ。市場が利下げサイクルに入れば、この収益は縮小する。金利動向とCircle株の値動きは切り離せない関係にある。

③「テック株売り」と「暗号資産株売り」は別物として扱う 今回の動きが示すように、セクターが違えば売られる理由も深度も異なる。テック全体が戻りを見せても、暗号資産株が同じ速度で追随するとは限らない。板の薄さも独自のボラティリティを生む要因だ。


まとめ

CoinbaseとCircleの株価は、同じ「テック系」とくくられるOracleやNetflixよりも深く沈んでいる。構造的な収益のボラティリティ、規制リスク、そしてビットコインETFという競合の出現——これらが重なって暗号資産株固有の重力を作り出している。相場が回復局面に入ったとき、この乖離が縮まるのか、それとも固定化されるのか。筆者はしばらく後者に警戒感を持ってみている。


よくある質問

Q1. 暗号資産株(クリプト株)とは何か?その意味と代表例を教えてください

暗号資産株とは、ビットコインなどの暗号資産を直接保有するのではなく、暗号資産ビジネスを手がける企業の株式を指す。取引所を運営するCoinbase(COIN)、ステーブルコイン発行体のCircle、ビットコインをバランスシートに積む戦略で知られるStrategy(旧MicroStrategy)などが代表的だ。株式市場を通じて暗号資産関連のエクスポージャーを取れる反面、企業固有のリスク(規制・収益変動・経営判断)も加わる点が現物やETFとの違いになる。

Q2. CoinbaseとCircleは今回なぜOracleやNetflixより大きく下落したのですか?

収益構造の脆弱性と投資家の認識の違いが大きい。OracleやNetflixはサブスクリプションやクラウド契約といった安定した収益基盤を持つが、Coinbaseの手数料収入は市場のトレーディング活況度に直結し、Circleの利息収入は金利水準に左右される。マクロ環境が不透明な局面では、こうした収益の「振れ幅の大きさ」がリスクとして強調されやすく、機関投資家の資金が先に抜ける傾向がある。加えて、ビットコインETFの普及でCoinbase株の代替手段が増えたことも、株式としての需要を構造的に下押ししている。

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