経済2026年05月19日 12:29·4分で読めます

FRBデータが示す「暗号資産回帰」——米国成人の10人に1人が利用、2022年ピーク以来の高水準に

FRBデータが示す「暗号資産回帰」——米国成人の10人に1人が利用、2022年ピーク以来の高水準に
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ポイント

  • FRBの2025年家計調査によると、米国成人の約10%が何らかの形で暗号資産を保有・利用しており、2022年以来の最高水準を記録
  • 2022年はBTC価格が高騰した強気相場の年であり、同水準への回帰はリテール層の参入再加速を示唆
  • ETFアクセスの普及やBTC価格の回復が、一般層の「再エントリー」を後押しした可能性が高い
  • FRBが公式年次報告書で暗号資産利用状況を継続追跡していること自体、資産クラスとしての制度的認知が進んでいることを意味する

2025年、米国連邦準備制度理事会(FRB)が発表した家計経済状況に関する年次調査で、暗号資産を利用・保有する米国成人の割合が約10%に達したことが明らかになった。この数値は2022年の強気相場時以来の高水準で、一時冷え込んでいたリテール需要が明確に戻ってきたことを示している。


2022年との比較で見えてくるもの

2022年といえば、BTCが一時6万ドル台をつけ、NFTバブルが全盛を迎えた時期だ。その後、FTX崩壊に代表されるクリプト・ウィンター(暗号資産の冬)が到来し、リテール層を中心に大量の「手仕舞い」が起きた。

2023〜2024年にかけてユーザー数は低迷していたとみられていたが、今回のFRBデータはその流れが反転したことを裏付ける。

注目すべきは、今回の回復がどういう背景で起きたかだ。2024年初頭に米国でビットコイン現物ETFが承認・上場され、従来の暗号資産取引所に口座を開かずとも証券口座から投資できる環境が整った。「敷居の低下」が利用者数の押し上げに直結したとみるのが自然だ。筆者も、ETF承認が単なる機関投資家向けの話に留まらず、リテール層にも確実に波及すると予想していたが、FRBのデータはその仮説を裏付けるものだ。

また、BTC価格そのものが2024年後半から2025年にかけて再び強気トレンドを形成しており、価格上昇→メディア露出増→新規参入という、かつてのサイクルが再現されている面もある。


「利用」の中身を読む

FRBの調査が捉えているのは「保有または利用」という広義の数値であり、内訳には注意が必要だ。BTCを長期保有するHODLerもいれば、ステーブルコインを送金目的で使っている層も含まれる。DeFiの流動性提供やNFTの売買まで含めると、「暗号資産利用者」の定義はかなり幅広い。

ただし、それを差し引いても「10人に1人」という数字のインパクトは小さくない。米国成人人口に換算すれば、2,000万〜2,500万人規模のユーザーベースが存在することになる。これはもはやニッチな投機市場ではなく、メインストリームの金融行動として統計に定着しつつあることを意味する。


市場への含意

リテール需要の「体温」が上がっているという点は、投資家として素直に受け止めるべきデータだ。オンチェーンの鯨(ホエール)や機関投資家の動向だけを追っていると見落としがちだが、リテール層の参入は強気相場の持続性や出来高の厚みに直結する。

一方で、2022年の経験が示すように、リテール利用者の急増は「天井サイン」になり得るという見方もある。まだ10%という水準は当時と同等に過ぎず、過熱の証拠とまでは言い切れないが、今後この数値が15%・20%と加速していく局面では、コントラリアン的な警戒感も必要になってくるだろう。

機関投資家サイドでは、ユーザーベースの拡大は規制当局との交渉において「社会的需要がある」という根拠になる。SECやCFTCが暗号資産の規制枠組みを議論する際、FRBの公式データが「成人の10%が利用している」と示すことは、産業側にとって追い風だ。


まとめ

FRBが公表した2025年の調査は、米国における暗号資産利用率が2022年の強気相場期以来の高水準に戻ったことを公式に確認するものだ。ビットコイン現物ETFの普及によるアクセシビリティ向上と、価格回復によるリテール心理の改善が重なり、ユーザーベースが再び拡大している。「一過性のブーム」と片付けるには、制度的な追い風が揃いすぎている。


よくある質問

Q1. FRBの家計調査とは何か、暗号資産との関係は?

FRBが毎年実施する「家計の経済的な暮らし向きに関する報告(SHED)」は、米国成人の家計状況を幅広く把握するための調査だ。銀行口座の保有状況、借入、貯蓄に加え、近年は暗号資産の利用実態も調査項目に組み込まれている。政府機関が暗号資産を正式な調査項目として扱うこと自体、この資産クラスが制度的に認知されてきた証左といえる。

Q2. 米国成人の10%が暗号資産を利用しているという数字は、市場にどう影響する?

直接的な価格への影響は限定的だが、ユーザーベースの拡大は取引量・流動性・規制上の正当性という三方向にポジティブに作用する。特に規制議論においては、FRBの公式データが「社会的普及が進んでいる」という根拠として機能し得る。ただし、強気相場の高揚感とともに利用者が急増した2022年型のパターンと重なる部分もあり、数値の加速度には引き続き注目が必要だ。

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